GPT Builderを使うとオリジナルのChatGPTを作ることができます。
- ChatGPTに独自のデータを学習させたい
- 特定の用途に特化したChatGPTを作りたい
こんな望みを叶えてくれるのがGPT Builderです。
この記事ではGPT Builderを使ってオリジナルのGPTsを作成する方法を解説します。
GPT Builderとは?
GPTsとはカスタマイズされたオリジナルのChatGPTを使えるサービスです。
独自のデータを学習させたりスキルを与えることで、特定の用途に特化したChatGPTを作ることができます。
このようなオリジナルのGPTsを作るために公式に提供されているツールがGPT Buidler(ジー・ピー・ティー ビルダー)です。
これを使えばChatGPTと対話するような形式でかんたんにGPTsを作成できます。
この記事ではGPT Builderを使ったオリジナルのGPTの作り方を解説します。
GPTsの公開と収益化
作成したGPTsはGPT Storeで公開して、他のChatGPT Plusの利用者に使ってもらうこともできます。
また、GPTsでは収益化プログラムも開始される予定で、人気のGPTを作成すれば収益化もできるかもしれません(2024年1月現在は米国のみ)。
GPTの利用条件
GPTsはChatGPT Plusの会員のみが利用できます。
ChatGPT Plusの利用にはひと月あたり20ドルの料金がかかります(2024年1月時点)。
GPTsを使う場合も作る場合も、ChatGPT Plusの会員でなければならない点に注意が必要です。
GPT Builderの使い方
それではさっそくGPT Builderを使ってオリジナルのGPTを作成しましょう。
GPT Builderは普段使っているChatGPTの画面から利用できます。
1. Explore GPTsにアクセスする
ChatGPTにアクセスしたら画面左側のサイドバーから「Explore GPTs(GPTsを探す)」をクリックします。
2. GPTsの画面で「Create」をクリック
次のようにGPTsの画面が開いたら右上にある「+ Create」の緑のボタンをクリックします。
3. どんなチャットボットを作りたいか?に答える
「+ Create」のボタンを押すと「New GPT」というチャットの画面が開きます。
「GPT Builder」という名前のAIが「どんなチャットボットを作りたいですか?」と聞いてきます。
最初のメッセージは英語ですが、これから日本語で会話できるようにするので安心してください。
ここでは「どんなチャットボットを作りたいですか?」と聞かれているので「〇〇をするチャットボットを作りたいです」と回答します。
画面の左下にある入力フォームに質問への答えを書きます。
ここでは「弁当のレシピを教えてくれるチャットボットを作りたいです」としました。
このときの回答は日本語でOKです。
そして、メッセージの最後に「以降の回答は日本語でお願いします」と付け加えましょう。
そうすると、以降のGPT Builderからの返答が日本語になるので便利です。
入力すると「Updating GPT…」というメッセージが表示され、しばらくするとGPTからの回答が得られます。
4. GPTに名前をつける
続いて、GPT Builderの質問に答えていきます。
次の質問は「GPTにどんな名前をつけるか?」ですね。
ここではGPT Builderが「弁当マスター」という名前を提案してきているのでそれを採用します。
普通に日本語で会話するだけなのでかんたんですね。
5. GPTのプロフィール画像を決める
次にオリジナルのGPTのプロフィール画像を決めます。
GPTがプロフィール画像を生成して提案してくれるので、提案されたプロフィール画像でよければ「それを使ってください!」などと返しましょう。
不満があれば日本語で「もっとこうしてください」と具体的な改善点を伝えてもOKです。
6. 詳しい内容を決める
プロフィール画像が決まったら「このGPTの役割や目標をもう少し詳しく教えてください」と聞かれます。
オリジナルのGPTを作るにあたってのこだわりや、期待することを伝えます。
ここでは「(海外の食材ではなく)日本の食材を使ったレシピ」を提案して欲しいのでそう伝えました。
7. ユーザーへの答え方に関する指示
次に「ユーザーとのやり取りにおける対応方法」を聞かれます。
具体的にこういう方法で答えてほしい、などの要望があれば伝えます。
カジュアルに回答して欲しいとか、個性的な回答が欲しいという指示をしてもいいですし、
特に要望がなければ「特にありません」と回答してもOKです。
8. 最初のメッセージで聞きたいことを決める
最後に、ユーザーへの最初のメッセージで聞きたいことを決めます。
「このGPTについてユーザーに伝えたいことや、特別なメッセージがあればお聞かせください」と聞かれるので、そういうものがあれば回答しましょう。
ここでは「最初に好みの食材を聞いてください!」とお願いしました。
9. 作ったGPTを試す
これでオリジナルのGPTが完成です!
画面右側にある「Preview」の画面で作成したチャットボットを試すことができます。
試しに「ヘルシーな弁当レシピを教えて」というメッセージを送ってみましょう。
先ほど指示した通りに、最初のあいさつで「好みの食材」を聞いてくれていますね。
普通のChatGPTと同じように、レシピを提案するチャットボットを作ることができました。
ちゃんと日本の食材でレシピを提案してくれていますね!
さらに細かくGPTをカスタマイズするには?
もっと細かくGPTをカスタマイズすることもできます。
画面左側に戻って「Configure(設定)」のタブをクリックするとさらに詳細にGPTsを設定できます。
「Name(名前)」や「Description(説明)」「Instructions(指示)」を書き換えることでGPTの設定を変更できます。
また「Conversation starters(会話のスターター)」を書き換えると、ユーザーが最初に送るメッセージの選択肢を設定できます。定番の質問をここに入れておくとユーザーが最初の聞き方を考える手間を省くことができます。
ここで設定した文章がGPTの最初の画面で選択できます。
オリジナルのGPTを公開するには?
作成したオリジナルのGPTを公開するには画面右上にある緑色の「Save」のボタンをクリックします。
「Publish to(公開先)」が「Everyone(全員)」になっていればあなたが作成したGPTに誰でもアクセスできる公開状態になります。
「Only me(私だけ)」の場合は自分だけが、「Anyone with a link(リンクを知っている人は誰でも)」の場合はリンクを知っている相手だけがアクセスできる状態になります。
「Everyone」の設定で「Confirm」という緑色のボタンをタップするとGPTが公開されます。
「Published!」というダイアログが表示されればうまく公開できています。
「View GPT」をクリックすると作成したGPTを見ることができます。
また、表示されるURLを使ってGPTを共有することもできます。
オリジナルのGPTに独自のデータを学習(参照)させるには?
GPT Builderの「Configure」にある「Knowledge」でファイルをアップロードすると、GPTが独自の知識としてファイル内の情報を参照できるようになります。
例として、今回は「日本で流行している食材」の情報を与えてみます。
自身のパソコンの中で、以下のようなテキストを「流行の食材.md」というファイル名で作成します。
日本の食材として最近流行っているのは以下です。
- アボカド
- カキ
- マツタケ
ここでは、わかりやすくするために「『アボカド』や『マツタケ』といった食材が流行っている」というあえて特徴的なテキストを書きました。
「Knowledge」にある「Upload files」のボタンをクリックしてこのファイルをアップロードします。
アップロードされたら「File」のアイコンが青い表示になります。
これだけではファイルの内容は参照されません。
「Knowledge」の下にある「Capabilities」の「Code Interpreter」にチェックを入れるとGPTがアップロードしたファイルを読み込んで回答できるようになります。
これで独自のデータを参照させるための設定は完了です。
さっそくPreviewから「日本で流行している食材を使ったレシピ」を聞いてみましょう。
うまくいっていればアボカドやマツタケを使ったレシピを提案するようになっているはずです。
アボカドやカキやマツタケが日本で流行っていると言っています。うまくいっていますね!
エラーの対処法
This GPT is not available for interaction.
GPT Builderを使ってGPTを作っていると「This GPT is not available for interaction.」というエラーに遭遇することがあります。
このエラーが出たときは、緑のボタン「Regenerate」をクリックして再生成するか、それでも解決しない場合はブラウザで画面をリロードします。
画面をリロードしても作成したデータは保存されているため、データが消えてしまう心配はありません。
画面をリロードしても改善しない場合は、はじめから作り直した方が早い場合がほとんどです。
ユーザー自身で解決できるものではないのであきらめて最初から作り直しましょう。
まとめ
この記事ではGPT Builderを使ってオリジナルのGPTを作る方法を解説しました。
GPT Builderを使うことで対話形式で簡単にオリジナルのGPTを作れましたね。
作ったGPTは公開することで多くの人に使ってもらえるので、参照させるデータや設定を工夫して便利なGPTを作れるといいですね。